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【余った傘はありません】 (2012.10.27)

※感想には個人差がありますのでご了承ください。 「殺したいほどの姉がいたから私は幸福だった」
小説の帯に書かれた一文から想像できるように内容はダークで病んでます。
まぁ、自分も病んでるのでOKです!(爆 書いてるのはあのオカルト女芸人「鳥居みゆき」さんです。
「鳥居」って私の嫁の旧姓と同じなんですが・・・(笑
ですが一級簿記や珠算など資格を持ちフラッシュ暗算等でもその頭の良さは証明済みです。 確かに内容はお世辞にも明るいものとは言えまえんがその文章と構成が面白いのです。
きっと一度読んだだけでは理解できない部分が多くあると思います。
前作「夜にはずっと深い夜を」も予想できない文章構成で短編集で一見何の繋がりもないかと言えば本筋は繋がっているのです。
そして最後にもう一度読みたくなるしかけが・・・・ 今回の「余った傘はありません」は前作と同じ短編で構成されています。
しかし心の闇を扱う内容は前作を遥かに上回ってると感じます。
明と暗の突然の切り替わり、そして根底にある双子姉妹の関わり。
ただなんとなく読んでるといったい何がどうなったのかわからなくなります。 小説から想像する世界。
一般的には描写があるので想像は容易いのですがこの本の場合そうはいきません。
現実世界よりも精神世界に近い内容なので想像が難しいのです。 正直この本は好みが大きく分かれると思います。
私は乱読も趣味の一つですが、前作と合わせ気に入ってる本の一つです。
※他には「タイムリープ」とかも気に行ってます。 この本を書いている彼女自身不思議な人物で、受け答えもぶっ飛んでます。
ただ、その受け答えをきちんと繋げてきます。
インタビューと言うどんな質問が出てくるかわからない状況で、前の答えを引用して繋げてくるのです。
発想と頭の回転の速さには脱帽です。 そんな彼女の書く小説なので当然そのような構成が随所に現れます。
いきなり突拍子もなく関係ないところへ飛んで行ったかと思うといつの間にか戻されている。
頭の中で整理して想像することを壊すかのように・・・ 視点の変化、精神の変化、いろいろな要因をバラバラにして適当に組み上げたような構成。
それでも読み終えるとなんとなく見えてくる一本の道筋。
きっと一部分だけを読んでも意味はないでしょう。
この本はこの本まるまる一冊全てでないと成り立たない。 そして読み直すほどに新しい発見が見えてくる驚き。
クロスメディアできないように書いたという小説がアニメになった例がありますが、この本こそクロスメディアできないものだと思います。
純粋に本として楽しめる一冊。 ただ、前に書いたように内容は暗いのでご注意を!! さて、Visual Studio 2012トライアル版もインストルー出来たので遊んでみようと思います!!

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